ベルリンで考えた平和と有機のこと その3

旅の記録と雑感。その1 その2 からどうぞ。

秋のヨーロッパは、夕方になると陽が斜めに差し込んでくる。強い強い光だ。ほんの1か月半前には夜の10時まで明るかったのだから、16時頃に感じる鋭い光は、焼け付くよう。肌も、心も、突き刺し、熱を感じる、そんな感じ。

イーストサイドギャラリーの周辺は、あまり治安のよいエリアとはいえない空気感ではあって、ブリュッセルの北駅や、20年前のNYのハーレムや、昔の深夜の韓国の地下道や、深夜のロサンゼルスのビジネス街や、夜の歌舞伎町の細道ほどではないものの、ちょっと身を引き締める気持ち。

ベルリンは、自分が思っていたよりも広かったのだけど、公共交通機関の1日券が7€(区間制限あり)で買えてしまうので、交通機関を駆使して移動。

ブランデンブルグ門へ。

ヨーロッパのドラマティックな空は好きなんだ。

1791年から建つこの門は、平和の勝利を記念するための平和門という意味合いで作られたものの、ナポレオンにベルリンが征服されたり、第二次大戦では廃墟となり、その後ベルリンの壁がすぐ横に作られたため、門としての役割を果たすことのできない時期が1989年まで続いた。らしい from地球の歩き方とwiki

当初の目的とは異なり、戦いや分断の象徴のような場所になっているという歴史はとても興味深い。この強い陽射しを浴びて、陽気な観光客たちの中で見る門は戦いの象徴とは思えないほど、穏やかで優しい色をしていた。

門を抜けて、続く一本道にも涙してしまう(情緒不安定)

門の横にあったひとつの空間が、旅のハイライトになりました。自分たちがヨーロッパにいる意味のようなものを実感するひとつの場所。相方は来週行くよ。

ユダヤ虐殺の記念碑。ブランデンブルグ門から歩いてすぐ

一等地に、この広い空間を確保して記念碑を設けているところに、ドイツの平和への気概のようなものを感じる。圧倒的な規模で語り掛ける、殺戮の歴史。

こうやって負の歴史に向き合える強さというのは、どこから来るのだろうか。それは、自分の生まれ育った国に、いま欠如している部分ともいえる。
自らを省みて、律するというのは、人という生物に与えられた大きな力だ。私自身は、そういう人でいるのだろうか、と自身に問いかける。
失敗を認めることの難しさよ。
ごめんなさいを、人にも、そして自分自身にも言うことの難しさを。

身長を超える高さのブロックをひたすら、ひたすら。

地下の資料館は混雑していて、飛行機の時間も迫っていたので訪れなかったのだけど、この灰色のブロックの中で、色々な感情を味わってみる。目の前にはアメリカ大使館。なんだか皮肉というかなんというか。またevilのことを考える。

時折、人類の悲しみの歴史にどっぷりとはまってしまう周期が来る子ども時代を過ごしていた。それは、湾岸戦争だったり、アンネフランクだったり、北朝鮮だったり、ヴラド三世だったり、世界の犯罪史だったり。

人間というのは危うく、未熟なものだ。失敗の歴史を積み上げて、人間という種はもがきながら成長していく。それは進化といえるかもしれない。
悪の中に潜む善。プロセスを経て見えてくる善を観たかった。たぶん、こんな世の中でも善があるって信じたかった。今ではそう思ったりする。やっぱりさ、どんな人でも光を目指すんだ。いまでもそう信じてる。


生きていく、人生というドラマ。自分の未熟さや失敗に向き合って、でも今を幸せに生きていく。もがいて成長していくことの喜び。善であること。そして、社会に貢献できることを探していく。そんな自分の生き方への想いを新たにした、ベルリン旅。私はまだまだ未熟だ。でも、成長していきたいんだ。
たまには、こういう初心に戻ることも大事だね。

普段乗らない窓側の席。短距離ならいいな。

ベルリンはオーガニックな街だといわれている。それは、オーガニックなものが気軽に手に入るという、ただそれだけではないのではないか。

人と、自然と、歴史とが、複雑な糸のように絡み合い、オーガニック=有機的 なアート作品のような布地(という名の町の暮らし)を作り出しているようなそんな印象を受けた。境界がなく融合している、意思のない物体というのではなく、個と個が、うまく混ざりあわないで、でも共存しているというか。

互いが気遣いあい、心地よさを探って、時に失敗しながら作りあげていく関係性。そんな有機的な雰囲気の町だなぁと。

植物だって、そこに住む人と環境に呼応しながら(まぁ、言葉を換えればエネルギーとして気遣いをしていると感じる)変化を遂げている。

たった48時間の旅行者としてのベルリン滞在の、しかもドイツ語はわからない中で私が向き合ったことは、平和のこと、自由という意味。私の中でオーガニックやオルタナティブという概念が、さらに拡がる、まさに自由さを感じた。

41歳を前に訪れた、憧れのベルリンで、私がもらった種のようなもの。これから人生の後半にどんな芽を出すのだろうか。それは、いずれ何らかの花を咲かせるのだろうか。このとき感じた思いを一粒も取りこぼしたくはない、この思いを育てていくために必要な栄養となるものはなんだろう。それをずっと考えてる。

何度も何度も訪れたい。ベルリン、大好きな街になりました。

お読みいただきありがとうございます。

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