学校って、勉強するってなんだろう。競争と比較の教育と、オランダ。

西の果てに住んでいると、「日本人」というより「アジア人」なんだなぁと実感することがある。2国間で比較すると、浮き上がってくる違いは、世界という視点から見た場合には、大した違いじゃなかったりして。ヨーロッパ圏、アフリカ、アジア、南米、あちこちの人に毎日会う環境は、本当に刺激的だし、いろんな視点からものを見ることを教えてくれる。

次男の進級の話

オランダ人のオランダ語の先生と、フィリピン人ママ友と、3人で話していた時の話。うちの次男は夏休み明けから進級が決まったのだけれど、フィリピン人ママのお子さんは、次男の10ヵ月年下。今のクラスに残留となりました。誕生日が9月だし、まだグループ3(この学年から勉強が本格的にスタート)に上がるには、2,3語文の会話では言葉がつたない、と先生の判断があったようです。

彼女は、悔しくて、泣いて先生に抗議して、なんとかならないか、と、お願いしたそうな。

もう1年以上通っているのに、うちの子はまだ進級できない、と。私は彼の年には、(母国語だけれど)自分で本も読めたし、もっと話せたのに、彼は発達が遅い。まだ母語でも本が読めない、と悩んでいると言う。

それを聞いたオランダ人、あまり理解できない様子。私も、ちょっとびっくり。だってまだ5歳、6歳の話だよ。

まだまだ、こんな遊びが大好きな年齢です

比較競争するのは、アジアの民の傾向?

私は、日本の教育システムに、自分の子どもがフィットしないのではと思っていることも、海外暮らしの理由のひとつ。子どもの勉強についても、「ゆっくり、自分のペースで、じっくりやったほうがいいんじゃないの?」と思っているので、先生に提示される道筋のなかで、「一番緩やかな」「一番ゆっくりな」ものを選ぶ傾向にある。

だから、フィリピン人の彼女の話も、私はほげーーーって聞いてたんだけど、彼女は思い溢れて、泣き出した。

泣いている人と、ほげーっと聞いてる人と、「意味わかんない。なんで?」みたいな人の3人
組になってしまった。あぁ、これじゃいけない(笑)

「アジアってさ、人と競争して、勉強するじゃない?オランダは、自分のために勉強するけど、アジアの人って、人のために勉強したり、人と比較して、競争する勉強の仕方をすると思うの。」といったら、あぁ、とみんな。

それを聞いてオランダ人が言ったのは、やっぱり「勉強は自分のためにするものだから、自分のペースでステップアップしていけばいいのよ」ということ。そらそうだ(笑)それはわかっているのだけど、でも感情的には納得できないんだろうな。

彼女の子は、タガログ語と英語がすでに話せるわけだから、いいじゃない、焦らないで!と私も思うけど、「ひとみの子どもは、日本語も年相応に話せて、(でも読み書きはいま始めたところ)、英語もできて(いや、あれはできてるっていうのか?)オランダ語もちゃんとできるじゃない」と言われたら、うーん・・・となんといっていいかわからなくなる。比較されてもなぁ。うちの子、インドネシア語もバリ語もすっかり忘れちゃったし。オランダ語で悪い言葉ばっかり覚えてくるし。

きっとオランダ人の中でも、競争意識の強いタイプの教育を好む人もいるのだろうな。
わかんないけど。ただ、システムとして競争が重んじられているようには感じない。

日本も昔ほどではないけれど、それでも進級について周りの目を気にしたり、クラス内で順位をつけたりということは、まだまだあるよね。台湾も、「いい学校に入れる」っていうことは、とても大事とされている印象があったなぁ。こちらでも、中国、フィリピン、インドネシア、マレーシア人ママと話していると、「人より優れている」とか「いい学校に」とか「高校くらいは出てないと」とか、そういうことをちょっと大切にしている印象がある。

オランダは、移民といってもバックグラウンドはそれぞれで、二世三世も多い。私のいる話す人は比較的、大使館や企業などの赴任あがりの人も多かったりする(現在家族が赴任していたり、赴任したらオランダが気に入って、そのままいる人など)

なんとなーく「アジア人の教育に対する姿勢」の一般的な姿が浮かび上がってくるのだけれど、そういった教育観というのは、親の受けてきた教育システムからくるのか、民族の持つものなのか、どこから来るのだろう。

これは三男だけど、この座り方、バリ人男子を彷彿とさせるw

いや、アジアだけではない

長男の学校だと、中学生以上の年齢(大きい子は18歳くらい)になり、親が学業についての意識は、よりはっきりと分かれる。まさに世界各国から集まった保護者会は、先生の言葉に対する反応が、いちいち、面白い。

中東系の人たちも、私の思うアジア同様、競争して、人よりも優れて欲しい、という意識が強いような印象がある。彼らの中には、親族みんなの将来を背負ってオランダに出てきている子もいるから、「なにがなんでも医者になってもらわないと困る」みたいな発言が、保護者会でポンポン飛び交う。(お医者さんになってお金を稼いで、故郷の親族を呼び寄せるってこと)

そこで、私はまた、ほげーっとして、聞いてるわけだ。私は平和なところで、のほほんと生きてきたんだな、と思いながら。

中学の先生は、アジア人の私が「いやー、彼は焦って進級させないで、一歩一歩、できるだけストレスがないように学んでほしいんですよ。今しかできないことがあるから。」って言ったら、ちょっと驚いていた。あまりそういうこと言う親は、移民学校にはいないのかもしれないね。

まぁほんっと、この町はいろんな人が住んでますわ。

それぞれが、それぞれの道を

うちは子どもが3人いて、きっとそれぞれが、望む道に進んでいくのだと思う。みんなまったく違う個性を持っているなぁと感じるから。勉強をすることが大好きなら、そうすればいい。嫌なら、違う道を選んだらいい。

長男と次男は、夏休み明けから進級する。長男は、一般中等教育への橋渡しとなるクラスで、フランス語やドイツ語も入ってくるらしい。オランダは宿題がないとか、いろんな情報があるけど、中学校から、本当に大変です。宿題いっぱいあるし。あと1,2年で高校数学までやっちゃうんだろうし、パワーポイントを使ったプレゼンテーションとかもやってます。

進度も早くなるし、夏休みでも毎日しっかり勉強を続けている。「キャンプが終わって、これからオープン戦みたいなもんだ」と、大好きな野球になぞらえて話していたけれど、結構大変になるんだと思う。でも彼はそれを楽しんでいるから、まぁいいのかなぁ。

私は勉強も学校も大好きだったタイプで、相方はそうではない。だから、夫婦間でも、たまに教育に関する認識の違いというのは起こって、そのたびにディスカッションはする。そして、ほかの国の友達とも、教育問題については時折話すことがあって、「教育観」っていうのは、育ってきた環境が培うのかなぁと感じたりするのです。

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