7年目の311と味噌作り雑感

また今年もこの日がやってきました。東日本大震災からもう7年。まだ7年。もう忘れることのできない大事な日。

311に味噌を作ること

私にとってお味噌作りと311というのは、切っても切り離すことのできないことで。震災直前に40キロ仕込んだお味噌のこと、その後6年半お味噌が作れなかったこと、そしてオランダに来て、久しぶりにお味噌を作ったことは、過去の記事に書きました。

8月3日で、オランダに移住して丸1年が経ちました。あっという間だったような、長かったような。子どもたちが大きく成長しているのは間違いないです...

オランダで発酵食の素晴らしさを伝えているMalicaちゃんが、「311にお味噌を作ろう!」という企画をしていて、急き立てられるようにお味噌作り。

311の前後に作るって「儀式」をどうしても今年はしたくて、おうちにあったオランダの「てらさな」の玄米麹と、オーガニック大豆と、こちらで親しくなった大好きな友達にもらったゲランドの塩で、1kg弱。残っていた使いかけの麹と大豆の量がぴったりだっていう、奇跡。

作業自体は、何年経っても忘れていないし、あっという間に終了

ちなみに私は、お味噌の上に直置きで塩をまいてしまってカビを防ぐ人です。使うときには混ぜ込んじゃったり、上だけとったり。かびることはないかなー。

7年前に味噌づくりを手伝ってもらった義母も、この冬7年ぶりにお味噌を作ったそうです。7年という月日が、前に向く力を私たちにくれているのかな。といっても、まだたった7年。まだ、混沌の中にいる。

だから、毎年この日にお味噌を仕込み続けたいな。そう思います。

この7年を一緒に生きてきた同志達

311にまつわることで、同じ思いを共有した仲間たちは、勝手に同志なんだって思ってる。藤野にも、沖縄にも、バリ島にも、オランダにも、そして世界中のあっちこっちにもいる。

同じ事柄でも、捉え方や落とし込み方や、選択する道って結構違っていたりして、そんな「みーんな違う」ってことにもまた気づけた7年でもあった。(当たり前だけど)

そんな同志が、友人たちが、何人もこの7年で亡くなった。

何も終わっていないこと
何も解決していないこと

私はあきらめてはいないだろうか
私は向き合っているのだろうか

行動力あるバリ島時代の友人が、旅で訪れたこの国で、311にスタンディングデモをするって聞いて、衝撃を受けた。彼女のその変わらない姿に、私、どんどん生ぬるくなってないか?って自問自答した。私には想像を絶する経験をしてきた彼女が人に伝えようとし続けていることを。311の時に沖縄からずっとサポートしてくれた、別の友人もまた、少し前に福島に足を運んでいて。

彼女たちがまぶしくて。


朝から塩仕事。炒って、擦って、海に消えた命に思いをはせる

私は私らしく、毎日を暮らすこと

子どもの体調不良で今日の予定は丸つぶれ。楽しみにしていたイベントも、ダム広場で彼女に会うことも、ぜーんぶキャンセル。それでも、きっと、あの日のように家族で過ごすことが大事だったのかなって思うんだ。1人増えて、大きくなった子どもたちと、7年分年を取った相方と。そうやって、私は私が大事にしなくちゃいけないことから、目を背けてはいけないね。毎日のことを大切に暮らすこと。自分の芯をきちんと見ていくこと。

だから、今日という日に、ありがとう。

そうそう、上の記事で書いた、7月7日に仕込んだひよこ豆のお味噌、まだ8か月だけど開封して味見しました。まだ塩が立って若い若い味。麹が古かったからかなー。いまいちな感じではありますが、あの時の心持を表していて、失敗作でも大変よろしいな、と。
次は7月7日に、また味見をしよう。

味噌を作ることは、1年、2年、いや、もっともっと未来の自分へのギフトを作ることだ。時間と、微生物という目に見えないものたちは、私たちを見守りながら、じっくりと彼らの仕事をしてくれるんだよな。

取り戻してきたものと、たくさんの気づきと。私もきっと7年分、成長しているはずだ。ずっこけながらだけど、ゆっくりと、じっくりと。

お読みいただきありがとうございます。

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